プロローグ

朝、妙にスッキリと目が覚めた。
まどろみの中で手探りにスマホのアラームを止める気だるさが、今日はなかった。

今日はとある人の墓参りだ。
彼女が死んでから今年で何年目だろうか、服を着替えてアパートのドアを開ける。快晴で、これ以上無いくらい澄んだ空だった。