次の日
俺は本拠点を片付け街へ帰還する為に歩いていた。

(行き交う人達の表情が暗い・・・
いくら各国で戦争が頻発しているとはいえここまで疲弊するのはやはり食糧難のせいだ
あそこの周りを開墾できるように領主様に要請するか・・・いや、ここはギルドで信頼できる人で勝手に・・・)

そんなことを考えながら歩いていたら気が付いたら門番の前まで来ていた。

「止まれ!って、ヴィルヘルムか・・・
通っていいぞー」

顔を見るなり厳しかった顔に覇気がなくなる。

「相変わらずだな・・・ツーハ
門番の仕事はそんなんでいいのか?」

やる気がない訳では無いだろうが職務怠慢だと思ってしまう。

「お前は顔パスだから問題なし!
それより!何か発見はあったか?」

地図を取りだし行ってきた場所のあたりを指さす。

「まぁ、薬草と地形の調査は終わったが・・・
ひとつ聞きたいがベリアグの森の奥に神殿があったが何か知ってるか?」

「うーん、そんなに離れてはないが俺にはわからんな・・・
ここの図書館とかで調べてみるといいさ」

大袈裟に手を広げ分からないとアピールする。

「分かった
あとギルマスは今日はいるか?」

「確か本部にいるはずだが?
どうしたんだ?厄介事か?」

ツーハが急にテンションを上げて話しかけてくる。

「もし厄介事だとしても食いつくな
兵士は給料泥棒ぐらいがちょうどいい」

そう言いながら門をくぐる。

「あー領主様が帰ってきたら顔出すように言ってたぞー?」

後ろから聞こえてきた声に手だけ振りそのままま街の中に歩き出した。

少し歩くだけでこの街の現状が見えてくる。
とにかく食料が売られていない。
(高い・・・高すぎる・・・
売っていたとしても価格が高すぎる
今回の報酬が銀貨2枚だが1日の食事代でほぼ消えていく
もっとランクの低い依頼など銅貨数枚程度でほんとにお小遣い稼ぎにもならない・・・
領主様のおかげでまだ暴動が起きてい分ほかの街よりかはマシだな)

街の中央の広場まで来ていた。
そこには『ようこそ!ガリアへ』とかろうじて読める看板が補修もされず傾いたまま掲げてある。

「ここも『いつか』・・・だな」

そう呟きながらギルドハウスの扉を開けた。