へばっていると、トモさんに声を掛けられた。
「大村は、順調に活気づいてるけどよ。どうにも若い奴の出会いがない」
寂しい独り者の私に、何を言い出すのかと思えば。
出会いなんてこっちが欲しいくらいだ。
人の心配をしていられるほど、心の余裕なんてない。
「私の方が紹介して欲しいですって顔に書いてあるぞ」
会う度に、益々焼けていく肌からのぞく白い歯を見せて笑われた。
図星を突かれ、居心地が悪い。
「私は」
仕事に生きていますと、言えるほど仕事にのめり込んでいない。
なんて返せばいいのか分からない。
有り難いことに、私の返事は望んでいないみたいでトモさんは話を進めた。
「結婚相談所みたいなところで、街コンでも企画してもらうといいんだがな。農家の嫁に来たい若い子もいるだろう」
結婚相談所。
心当たりがある自分が憎い。
「知り合いが、居なくもないですよ」
「なんだ。その遠回しな言い方は。知り合いがいるなら頼んでくれ」