夜祭りの振り付けを習うのは、新参者の協力隊の三人と練習を申し出た私。

 その他の人は覚えている動きを思い出す程度らしい。

 まずは簡単な振り付けを習う。
 片手に松明を持つため、左腕は上げっぱなし。

 本番は燃えた松明だが、練習では火をつける前の松明を持つ。
 見た目よりも、ずっと重い。

「これを持ってもらう」

 渡された重い松明におののいていても、振り付けのレクチャーは続く。

 空いている右手を、下から上へくるりと回しながら上げて舞を踊る。
 右手の動きに合わせ、足を静々と前に出していく。

 見ていると簡単そうだが、やってみると思った以上に大変だ。
 妖艶に見えるように滑らかに、松明を持つ手は下げないように。