俯いていく頭は、ブーッと携帯の振動音をキャッチした。

　メールが届いていて『琥太郎：俺で力になれることがあったら教えて……』と小さく内容を伝えた。
『……』は、その先にまだ文章が続いていることを表している。

　タップしてメールを開くと、続きには『俺も、美樹ちゃんに助けられたから』だった。

　琥太郎さんが、どうというわけじゃない。
　これは自分の問題だ。

　トモさんの言葉が、心を何度も行ったり来たりする。
　その度に心が波打った。

「自分から飛び込まないと、か」

　小さな呟きは誰にも届くことはなく、虚しく消えるだけだった。