「久しぶり。やっとゆっくり話せるね」

 舞依は秘密基地にいた。
 古い公民館の裏。

 たまたま続けて、琥太郎さんとトモさんと珍しくここで人に会ったけれど、普通なら人が来ない場所。

「田植え大変だね」

「いつものことなの。ほら。座って。さすがに大人で地べたに座るの嫌かと思って」

 レジャーシートを広げながら、私に座るように勧める。
 こういうところはさすがだ。
 何やらお菓子とお茶までも。

「ありがと。しっかり者の舞依は健在だね」

「そう? 美樹も、お姫様の美樹は変わらないね」

「やめてよ。子どもの頃も恥ずかしかったのに」

 私は迷い込んだお姫様。という設定で遊んでいた。
 長い髪がお姫様の証と言われた。
 舞依も由美も髪は短くて。