にわかに活気づく大村は喜ばしいことなのに、置いていかれた気持ちになる。

 琥太郎さんもトモさんも私に「美樹ちゃん、村おこし協力隊になってよ」と言っていたのに、早々に新しい協力隊が全て決まった。

 断ったのだから当たり前なのに、勝手に疎外感を感じる。
 今までみたいに、祖母の家に遊びに来た私の話し相手なんてもういない。

 望んでいたはずの、大盛況の田植えアート。
 盛り上がる協力隊。それなのに。

「美樹ちゃん。ありがとね」

 声をかけられて顔を上げると、琥太郎さんだった。
 周りは解散になっており、思い思いに帰っていっていた。

「えっと。なんだっけ?」

「美樹ちゃんの発案で、ここまで来れたから感謝してる」

「ううん。そんな。」

 どれだけ強欲なんだろうって、自分が恥ずかしくなる。
 大して何もしてないのに、こうして褒められて嬉しく思うなんて。

「舞依がやっと美樹に会える〜! って喜んでた。会いに行ってやって」

「でも、どこに?」

 私の質問に、目を丸くした琥太郎さんが微笑んで告げた。

「二人が会うところは決まってるんだろ?」

 綾美の様子を見に行くと、トモさん達と村を見て回ると言うので駅で待ち合わせすることにした。