拡声器を持った琥太郎さんが、みんなに向かって呼びかける。
たまに、ノイズのキィーという音を合間に挟みながら。
「今日は、大村の田んぼアートにお集まり頂きありがとうございました。この村を活性化させて、後世に残していきたいと思っています。賛同して頂ける方は、大村存続の署名にサインしてくださると幸いです」
あれから、ショッピングモールの人が視察に来たとは聞かない。
けれど、やれることはやった方が後悔はないだろう。
続けて琥太郎さんは、村おこし協力隊の人達を壇上に上げた。
「大村の活性化をしていく、仲間を紹介します。村おこし協力隊の三人です」
拡声器がトモさんに渡され、お辞儀をしてから話し始めた。
「飯塚智弘です。ここに来る前まで、海外青年協力隊をしてまして、海外を飛び回っていました。色々なところに行きましたが、ここ大村はとてもいいところです。皆さんも今回だけではなく、たくさん来てください。田植え以外にも、イベントを考えていきます。飯塚智弘と一緒に、大村を盛り上げて行きましょう!」
さすが場数を踏んでいるのか、元来の出たがりなのか。
堂々とした喋り方に拍手が起こった。