綾美と一緒に来た田植えイベントは、大盛況だ。
子ども連れが多いのはもちろん、若い子たちもいる。
私たちも、場違いにはならずに済んだようだ。
田んぼには水が張られている。
稲を植える前の水面には、空の青色と雲が映る。
まるで田んぼの中を、気持ち良さそうに雲が泳いでいるみたいだ。
「では、受付時にお渡しした用紙に書かれた箇所が、皆さんそれぞれの担当箇所です。グッと押し込まないと、植えられずに浮かんで流されます。コツは近くのスタッフに聞いてください」
各々に自分の稲を取りに行く。
普通の稲の人、古代米の人。
苗の頃は普通の稲も古代米も、あまり変わらない。
「間違えないように植えてくださーい」と呼びかけている。
田んぼの中に入ると、まだ少し冷たい水の冷たさが長靴の内側まで感じる。
稲を持って手を入れ、冷たい水の奥の泥に苗を入れた。