次の日、協力隊らしく村おこしの話し合いをするという二人に、私も混ぜてもらった。

「村おこしを、目的にしてるわけだが、田んぼアートと夜祭りだけじゃ少ないな。他にも、何か目玉になるようなことないか」

「ずっと住んでいると、何が特別か分からないなぁ」

 頭に手を組んで天井を仰ぐ琥太郎さんは、幸せ者だと思う。
 ここにしかないものが、たくさんあるから。

「空気がおいしいとか、星も綺麗です。野菜も美味しいし。で、トモさんは何か案があるんですか?」

「ん? それを今から見つけようと思って」

 ガハハハハッと豪快に笑うトモさんに、今回も私たちは顔を見合わせて肩を竦めた。