協力隊が決まったと聞いていたけれど、住む場所まで話が進んでいたのだ。
 流れで私も立ち上がり、一緒に交流館を出た。

 歩く道すがら、協力隊になった人は楽しそうに話す。

「あばら屋を、リノベーションしながら住むことを希望したんだ」

 すごいなぁ。
 こういう人が、村おこし協力隊になるべくしてなったのだ。

 大きな登山の人が背負うような、縦長のリュック。
 たくさん歩いたことが分かる、ボロボロの靴。
 簡単に私くらいなら持ち上げられそうな、鍛えられた太い腕。

 私なんて、先を歩く琥太郎さんについていけなくてバテバテだ。
 運動不足がもろにきている。

 協力隊の人は、遅れを取る私に合わせるように歩調を緩め、並んで歩いてくれる余裕も垣間見えた。