新しい公民館の方へ案内して、琥太郎さんと一緒に希望した経緯を聞いた。

 元々は海外青年協力隊をしていて、世界中を渡り歩いていたらしい。
 そこへ来て、村おこし協力隊の募集に目が止まった。

「貧しい国の人を助けようって海外を飛び回っていたけど、日本で困っている村があるなら日本こそ助けなきゃ!と思ったわけ」

 眩しい笑顔。
自分の進むべき道を、自分で決めている。

挨拶を軽く済ませると、琥太郎さんは席を立った。

「これから住んでもらう家を、見てもらいます。」