「おばあちゃんは畑や田んぼはどうしてるの?おばあちゃん一人で?」
「一人じゃ大変でね。林田さんとこの孫が田んぼアートに使わせて欲しいってね。」
林田さん…確か舞依は林田だった。舞依も立ち退きの反対運動をしているのだ。村のみんなが反対しているのなら…。
「それでも中には村から出て行って外で暮らす人も増えてね。大きなショッピングモールが建つそうよ。」
「おばあちゃんは反対だよね?」
にこやかに大きなショッピングモールが建つそうよと言われ、胸が騒ぐ。
「反対してもね。もう私しかこの家に住んでないでしょ?私が亡くなったらどうするのかしらと思うと強く反対も出来なくてね。」
祖母の言葉に愕然とした。祖母が反対していないなんて。この広い家に一人。寂しく思うのも当然だ。だからって。