絵を改めてみると、絵は妖艶な狐がよく表現されていた。
神隠しなんてあるわけないよ。
そう気を取り直して質問した。
「いい絵だね。それで田んぼアートの参加者はどれだけ集まったの?」
田んぼアートを皮切りに、祭りのことや村のことを知ってもらえれば。
もしかしたら、祖母の立ち退きも無くなるかもしれない。
「それが参加者はまだ数組しか」
「数組!? 大丈夫なの?」
ハハッと力なく笑って頭をかいて、大丈夫ではないことが伺えた。
「どういう集客を考えていますか」
つい仕事口調になって詰め寄ると、見開いた瞳と目があってハッと我に返った。
「ごめんなさい。仕事の癖で」
「美樹ちゃんの仕事って?」
「しがないウェブデザイナーです」
見開いていた目が、ますます開かれて「すごい」と感嘆の声が漏れた。
「アドバイスしてもらえるとありがたいよ」
「アドバイスなんてそんな」