由美も参加していた儀式。
 もしかして由美は。

「由美は、その神隠しにあったの?」

 軽口のつもりだった。
 しかしその一言で、空気が変わったのが分かった。
 聞いてはいけなかったのかもしれない。

「それは……そうかもね」

 伏せられた目。
 きつく握られた両手。

 さっきまでの、明るい空気が一変してしまった。

「それより、田んぼアートの絵はどうかな。夜祭りは、昔からの祭りだからいいと思うんだけど」

 あからさまに話題を変えられたのが分かった。
 だからと言って、これ以上踏み込んで聞けない。