外孫でも仲良くなれたのか。
 それは今になっては分からない。

 けれど、子ども心の小さな嘘のせいで、さよならさえ言えずに帰ることになった。
 母に連れ帰らされたのだ。

 今、思えば当時から母と父は仲が悪かったのだろう。
 それを見せないようにはしてくれてたみたいだけれど。

 母はこの村を嫌っているようで、有無を言わさず連れ帰らされた。
 荷物を取りに帰ることも、友達にさよならを言うことも叶わずに。

 荷物は後日郵送され、祖母に悪いことをしたと後々になっても気に病んだ。

「外孫でもこの村が大切で。おばあちゃんが寂しがるから」

 琥太郎さん達と同じなんて、恐れ多い気がして言えなかった。
 この村にずっと住んでいる人に、敵うわけがない。