【東京の片隅、不器用なふたりの恋愛ダイアリー】

 過去に起きた悲劇を抱える百合(ゆり)。それにより人が怖く、前を向いて歩くことさえできない、逃げる術も考えられずに生きてきた。一方、明るく面倒見の良い(わたる)。誰に対しても優しかった。

 ふたりは突然出会い、百合は航に一目惚れしてしまう。百合にとっては初恋だった。百合の真っ直ぐな想い。航の百合への見守る思いが、恋の想いへと変えてゆく。

 もっと笑顔になりたくて、もっと素直に伝えたい。不器用でじれったい恋はゆっくり、でも確実に実ってゆく。百合は航のやさしさで笑顔になることができた。航も航なりに、百合を想いやる。ふたりの想いは確かなものになった。しかし航は百合の悲劇に気付き始め、そして百合の心が悲鳴を上げる。

 ふたりは壁を越え、恋は愛へと変わる。

 百合と航、お互い感じる『愛』。その愛も、確かなものに。