パタパタとスリッパの音がして横川がリビングに入ってきた
タオルで髪の毛をふきながら俺の側に座る
俺は横川のいつもと違う髪型に少しドキッとした
下ろされた髪は軽くウェーブがかかっていた
「横川の髪はパーマ?」
「天然パーマなの、でもそのまま下ろしてるとよくかけてるの?って言われるからいつもくくってるんだ〜」
「そうなんだ、ごめん」
「あっ、謝らなくてもいいんだよ」
つーくんのスースーと言う寝息が聴こえてきた
「あっ、幸(さち)姉ちゃん、つーくんが寝始めた」
俺は横川の口に指を縦に当てた
横川はびっくりして小声でごめんと言った
「じゃあ、このまま車に乗せて帰るわね」
「運びますよ」
「ありがとう」
幸姉ちゃんと呼ばれていたつーくんの母親は荷物を持って車に向かいエンジンをかけた
俺はつーくんをチャイルドシートに乗せた
「ありがとう、じゃあまた」
つーくんは帰っていった
「じゃあ、俺も帰るよ」
「あの、ごめんね迷惑かけて」
「全然、つーくん可愛かった(笑)じゃあ失礼します」
横川とお母さんに頭を下げ俺は自転車で帰った