「ごめんね、つーくん帰るよ、おいで」
横川がつーくんに向かって両手を出す
「やー」
つーくんは俺から離れなかった
「横川……お前その格好……」
恵麻は頭から手足まで砂だらけだった
転げたのか膝からは血も出ていた
「それじゃつーくんも抱けないだろ、二人で来たのか?」
「うん、家近いの」
「じゃあつーくん抱いて行くから俺の自転車を押してきてくれないかな」
「えっ、いいの?」
「いいよ」
「用があるんじゃないの?」
「終わって帰るところだったから大丈夫」
「じゃあつーくんが離れないからお願い」
「うん、じゃあ行こうか」
横川の家に向かって歩き始めた
「つーくんと何してたらそんなに砂だらけになるんだ?」
「えーと、砂場で遊んでたらつーくんが砂を投げてきて目に入っちゃったの、水道で目を洗ってたらつーくんが歩いて……急いで追いかけて走ったら転げて」
「危なかったよ?外に出てたら……」
「……うん、ごめんなさい……清水がいてくれてよかった」
5分程歩くと横川の家に着いた