その俺が今横川に興味を少し持っている
お団子頭の揺れるのを見るのが段々楽しみになってきている



ある日の体育の授業中だった
12月に記録会と呼ばれるものがあるうちの高校は最終記録会に向けて郊外に走りに行く

簡単に言うとマラソン大会なのだが順位だけではなくタイムを計るのだ

その為暫く体育の授業は持久走になる
横川が走ると当然お団子頭はピョンピョンと揺れる

男子の方が女子の出た後に走り始めて抜いていくのですぐ横川を見つけることが出来るのだ

その持久走の3回目の授業だったかな、横川が立ち止まって若い女の人と話していた

前にはベビーカーに乗った子供がいた
乳幼児ではなく歩くかどうかの年齢で座るタイプのベビーカーだった

俺は子供が好きだ
つい子供が目に入り見ていたら目が合い笑ってくれた

俺もつい顔がほころんだ
可愛いなぁ〜



その日の放課後、いつものように

「清水、椅子貸して」

「いいよ」

後ろから押さえていた俺は話しかけた

「体育の授業中、何さぼってた?」

「あっ、いとこに会ってね話してたの」

「タイム計ってたのに止まってたからどうしたのかなって思った」

「うん、長話しをしすぎて最後になっちゃった」

「(笑)最後ってどれだけ話してたんだよ」

「わかんない(笑)気付いたら周りに誰もいなくて焦ったよ」