「ゴムのあとついちゃってるけど……」

髪を触った

「柔らかい」

「そっかな、サラサラなストレートに私は憧れるけどね」

「暎太ー」

俺はまたびっくりして髪から手を離す

「もう〜だからノック!」

「あー、忘れてた、恵麻ちゃんご飯食べて帰る?ねー、ねー、食べて帰りなよ」

「えっ、そこまではいいですよ、帰ります」

「暎太に送らせるからさ〜」

「またわがまま言ってる、美空はいつもだし」

「私が作るから食べて帰りなよ」

横川は困ったように俺を見る

「暎太の彼女をお母さんに紹介しなくちゃ」

「ちょ、彼女なんて俺言ってないけど?」

「えー、じゃあ何で連れてきたの?」

「見せたいものがあって……」

「暎太の大事な物みせるのは大事な子じゃないの?恵麻ちゃんのこと嫌い?」

「いや、嫌いなら話さないし連れて来ないけど……」

「じゃあ、好きじゃん(笑)」

「飛ぶなぁ」

「恵麻ちゃんは暎太の事嫌い?」

「いえ」

「じゃあ、付き合えば?」

「美空!そんな簡単に言うなよ」

「あら、付き合ってみればわかるじゃん、暎太は顔だけじゃないんだぞって(笑)」

「もう、それは言うなって……」