玄関の開く音がしてバタバタと階段を駆け上がってくる足音がしたと思ったらドアが開き俺に抱きついてきた

「暎太〜」

「またかよ」

抱きついてきた女の頭を撫で、背中をポンポンと軽く叩く

横川は何が起こったのかわからずその様子をポカンと見ていた、当然だろうな

「あのさ、美空?玄関見なかった?お客さん来てるからちょっと離れて……」

「えっ」

俺から離れて後ろを向いた

目が合い頭を下げる

「ちょっと!彼女連れ込む時は言ってよ」

「何でだよ、連れ込むって言葉使うなよ」

「彼女さん、ちょっとだけ待ってて」

また俺に抱きつく



「あのね、彼がね出張でね、1週間連絡しないでって言うの、ひどくない?いくら出張でも連絡は出来るよね〜」
「あー、それは待った方がいいよ、きっと美空の勘違いだよ、美空からはってことじゃないかな、大事な話の時に電話かかっても駄目だろ?」
「そっかー、うん、わかった、待つ、その代わり買い物付き合ってね」
「わかった」





「初めまして、姉の美空です」

振り向くとニコニコの笑顔があった

「あっ、横川恵麻です」

「恵麻ちゃん、可愛い名前、よろしくね」