「あのさ……避けられてる方の気持ちわかる?」
「………ごめんなさい」
「最近掲示物いつ貼ってるのさ」
「朝……」
「どうやって?」
「ロッカーの上に上がって……」
「誰か寄ってきたらどうすんのさ、さっきみたいにスカートの中見えるじゃん」
「…………」
横川は自分のスカートを握った
「見られてもいいんだ」
「やっ、違う……」
下を向いた
「清水って結構喋るんだね」
「は?普通だよ、話してたじゃん、だから急に避けるようなことするから俺は横川の事がますます気になって……」
俺は自分の口を手で塞いだ
「私?ますます?」
「自分でもわかんなくて……気付いたらいつも横川のお団子頭が目に入ってくるんだよ」
自分の頭を触った
「これ?」
「うん」
頭を左右に軽く振った
「今の席からよく見えるんだよ、授業中よく頭を動かすからさ」
「自分じゃわからないけど……」
「(笑)だろうな」
幸さんが寝室から出て来た
「俺、そろそろ失礼します」
「ごめんね、引き止めて」
「いえ」
「横川は?まだいる?」
玄関で靴を履きながら俺は尋ねた
「つーくんが寝てる間に夕食の準備するから恵麻も帰りなさいな」
「あっうん、わかった」