ピンポーンとインターフォンが鳴り玄関を開けに幸さんは立ち上がった
小走りの足音がして
「つーくん〜」
とリビングに入ってきた
「えっ、清水……」
「さっき外で会ってね、つーくんと遊んでもらってたのよ」
「そう、つーくんおいで」
横川は両手を出した
「やー」
と言って暎太の首にしがみつく
「つーくん、ほら、お菓子あるよ、こっちこっち」
つーくんは俺から離れなかった
「……あのさ、横川、少しよけるか、スカート押さえてくれないかな……その……」
「キャッ」
正面にしゃがんだ横川は指摘されて真っ赤になりペタンと足を閉じていた
「ごめん……」
「私こそ、つーくんに夢中になってごめんなさい」
「あのさ、俺のこと避けてる?」
思い切って聞いてみた
「あの……避けてるというか……」
「やっぱり避けられてたんだ、何で?俺何かした?」
「やっ、何も……」
「じゃあ、何でこの前帰った?送るって言ったのに」
「あの時はちょっと視線を感じて……」
「視線?」
「清水ってモテるって友達が言ってて……だから一緒にいると勘違いされると彼女に悪くて」