「お待たせ」

「うん、送るよ」

「でも、だいぶ楽になったから一人で帰れるよ」

「保健の先生に言ったから責任もって送る、帰ろう」

保健室を出た



恵麻は視線を感じていた
清水と歩いているからだと流石に恵麻でもわかった
私……隣にいない方が……

「ごめん、やっぱりいい、ありがと」



小走りに走って帰ってしまった

「……何で、いきなり?」

俺は走っていくお団子頭を見ていた

俺、やっぱり避けられてる?
何かしたっけ……



その日から横川と話すことなく数週間が立っていた

掲示物も俺の知らない間に貼られてるし、少し高いところに貼ってあるのなんて誰かに手伝ってもらってるのかなとか……逆にどんどん横川の事が気になっていった

相変わらず授業中のお団子頭は揺れてるし休み時間でも俺はボーッと横川の方を見ていた

「暎太、何ボーッとしてんだよ」

同じクラスの圭(けい)が話かけてきた

圭とは中学も同じで今年同じクラスになってからはつるんでいる友達だ

「最近よくあのグループを見てるよな、誰か気になる?」

「えっ?」

圭にわかるほど俺って横川のこと見てるのか?