冬は陽が落ちるのが早い。
外が暗くてよかった。
ぐちゃぐちゃな顔を見られる心配がない。
涙が引くまで歩いて帰ろう。
冷たい空気に触れて、頭を冷やそう。
地下鉄を使って通勤している奈々は、とりあえずひとつ向こうの駅まで歩くことにした。
歩いているうちに涙も乾くし赤くなった目もすっきりするだろう。
地下鉄の駅と駅の区間は短い。
たったひと駅程度では寒さが身に凍みるだけで、目も心もスッキリとしなかった。
もうひと駅、歩こうかな。
そう思って歩を進めようとしたとき、スマホが鞄の中で震えた。
何だろうと取り出すと、画面に【倉瀬】と表示されていている。
一瞬にして身が震え上がり、スマホを取り落とした。
地面で震えるスマホを慌てて拾い上げる。
どうしよう、取るべきか。
でも、でも。
迷っていると着信は切れ、続けざまにまた鳴り出した。
外が暗くてよかった。
ぐちゃぐちゃな顔を見られる心配がない。
涙が引くまで歩いて帰ろう。
冷たい空気に触れて、頭を冷やそう。
地下鉄を使って通勤している奈々は、とりあえずひとつ向こうの駅まで歩くことにした。
歩いているうちに涙も乾くし赤くなった目もすっきりするだろう。
地下鉄の駅と駅の区間は短い。
たったひと駅程度では寒さが身に凍みるだけで、目も心もスッキリとしなかった。
もうひと駅、歩こうかな。
そう思って歩を進めようとしたとき、スマホが鞄の中で震えた。
何だろうと取り出すと、画面に【倉瀬】と表示されていている。
一瞬にして身が震え上がり、スマホを取り落とした。
地面で震えるスマホを慌てて拾い上げる。
どうしよう、取るべきか。
でも、でも。
迷っていると着信は切れ、続けざまにまた鳴り出した。