奈々は父の腕に手を添えて、バージンロードを歩いていく。
ゆっくりゆっくりと。
両親に感謝しながら。
今まで歩んできた道に感謝しながら。
出会えたことに感謝しながら。

この先には祐吾が待っている。
タキシードを着て優しい眼差しで立っている祐吾に、奈々は胸がドキドキした。
見つめるだけで、触れるだけで、胸がいっぱいになってたまらない。

「奈々。」

「祐吾さん。」

父から離れた手は祐吾の元へ。
そっと触れるだけで嬉しくなる。

奈々が見上げれば祐吾は目を細めて受け入れてくれる。
二人で微笑み合うと、甘く幸せな気持ちでいっぱいになった。

ステンドグラスからは光りが降り注ぎ、二人を優しく包んでいた。

これから先、どんな道を歩むのだろう。
どんな未来が待っているのだろう。
共に歩んで行くことに、幸せと喜びと希望と、少しの不安と。

宣誓をするときも、誓いのキスをするときも、指輪を交換するときも、奈々は胸がいっぱいでドキドキが止まらなかった。

そう、いつだって、二人は恋をしている。

これからもずっと。
ずっとだよ。


【END】