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奈々の体調とメンタルが落ち着いてから、改めて両家へ結婚の挨拶に行った。

奈々の父親はいつも通り温かく二人を迎え、
初めて奈々の弟も顔を出した。

「奈々さんと結婚させてください。」

礼儀正しく頭を下げる祐吾に、奈々の父は涙を滲ませながら喜んだ。
そんな父に、奈々の弟は冷やかして言う。

「父さん、祐吾さんがKURAコーポレーションの御曹司だって知ってる?」

「…えっ?!」

鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をして腰を抜かすほど驚くので、奈々と祐吾は顔を見合わせて苦笑いした。

「そ、そ、そ、そんな、偉い人とっ!」

「お父さん、落ち着いて。」

「偉くないです、一般人ですから。」

「ていうか、本当に知らなかったんだ?そっちの方が驚きだよ。」

それぞれがそれぞれの想いで大騒ぎし、無事に西村家への挨拶は終わった。