祐吾は頭をフル回転させ、直近の出来事を思い出す。

海外出張の間に浮気だなんて、奈々に限ってそんなことはありえないだろう。
奈々を信用しきっているため、その予想は瞬殺された。

だとするといつだ。

一時帰国の時だろうか。
あの時はいつも通りだった。

年明け、風邪がなかなか治らないと言っていた。

二月に智也が総合病院で奈々を見かけたと言った。
その時一人で産婦人科へ行ったということだろうか。

普通の内科と違って産婦人科は少ない。
それなら、電車を使ってわざわざ総合病院へ行ったことも納得できる。

先週三ヶ月ぶりに会えたのに、生理だから帰ると言った。

そして、少し痩せた気がした。

今が本当の生理中ということは、先週のあれは嘘だったのか。

だとしたら…。