4月下旬、亜希は高校最後の大会を終える
和稀は個人優勝、県大会を優勝して全国大会へ出場することになった
和稀が全国大会から帰ってくる
「おかえり」
「ただいま」
二人はキスを交わす
「疲れたでしょ、甘いもの買ってあるよ」
「当然あれだよな?」
「(笑)もちろん」
夕食後イチゴのケーキを食べる
「今日、帰りに報告を兼ねて道場に寄ってきたんだ」
「うん」
「道場を継いでくれないかって」
「継ぐって?」
「まあ今すぐじゃないんだけどな、師匠には娘さんしかいないんだよ、時々師匠一人だから世話をしにちょくちょく帰ってきてるけど旦那さんは剣道してないし、娘さんも子育てに忙しくて、まあ子供はまだ師匠は教えれるけどもう大人にはきついらしい」
「でもまだ高校生だよ」
「だからすぐって訳じゃなくて、ゆくゆくってことらしい」
「じゃあ和稀はそれに向けて大学とか勉強とか頑張るってこと?」
「そうなるな」
「うんわかった和稀がやりたいことして」
二学期が始まる
「きゃー和稀、遅刻する、起きて」
「お前、目覚ましは?」
「だって和稀が抱くからそのまま寝おちしちゃう」
「毎日セットしとけよ」
「夏休みだから止めてたもん」
二人は急いで家を出る
春と同じことをしていた
五年後……道場
「こんにちわー」
亜希は顔を出した
「はい、こんにちわ」
「ししょう、こんにちわ、おねがいします」
「じゃあ、和葉(かずは♀)ちゃん、素振りから始めようか」
「はい、あっパパー」
和稀は振り向く
「こら、和葉、ここでは先生よ」
「はーい」
シュンとなる
「まだわからんじゃろ」
「そうですけど、一応(笑)」
「お茶どうぞ」
娘さんが出してくれた
「ありがとうございます、どっこいしょ」
縁側に座る
「大きくなったわね、予定日は?」
「来月です、ちょっと体重オーバーでヤバいんです」
「助かるわ、和稀くん」
「いえ、早くからお声かけていただいてたので和稀も目標できましたし、定時で帰れる市職員になったことだし、まあ毎日定時とは当然いきませんが、こちらも動きやすいです」
「学生結婚は考えてたの?」
「そうですね、家があったのでなんとかなるかなって、私はもう中退でいいかなって、子供やっぱりかわいいですし、また来月から忙しくなりますし」
和稀が庭に出て来た
「パパー」
和葉を抱っこする
「練習したか?」
「うん」
「ママと手つないで帰るんだよ」
「はい」
和葉をおろす
「じゃあ師匠に挨拶」
「ありがとうございました」
「はい、じゃあ和葉ちゃん、またあさってね」
「じゃあ失礼します」
二人は手を繋いで帰っていった
夜
「おかえり、お疲れ様」
「ただいま」
「今日は和葉はもう寝たよ」
「練習日はやっぱり寝るの早いな(笑)」
「動くと違うね」
「今度の子供は大きいな」
「うん、男の子だよ、名前考えてといてね」
「わかった、あーまたしばらくこの胸が子供のものになる、はぁ」
ため息をつく
「も〜、子供にやきもちやかないの(笑)」
「亜希、ありがとう」
亜希の大きなお腹を優しく触り
二人はキスを交わした
おわり