亜希が口を開いた
「和稀ー」
「ん?」
「あたしのこと好き?」
「んーまあ……」
携帯でゲームをしながら返事をする
「胸だけかな?あたしって……」
「そんなことないけど……嫌だったらこんなに亜希に触らないし、こうやって毎週二人で過ごさないだろ?下に親がいるとはいえ、晩飯食って帰っとけばいいことだけど会話なくてもいれるって案外すごいことじゃね?」
亜希はびっくりした
(意外な返事だったな)
「どした急に?今日おかしいよな、帰るのにメッセ送ってきたりいつもしないだろ?」
「……今日遅かったじゃん」
「延長だったからだろ?バレーだけ?」
「うん、帰りにさ、男バレの子が送ってくれるって言うから断るのに携帯だして和稀に送ったの、親が迎えにくるからって嘘ついて……」
和稀はゲームを止めて亜希を見る
「そいつは亜希のこと好きなのか?」
「好きとは言われてないけど……試合終わったら話があるって言われた」
「試合終わったら付き合おう的な感じ?」
「そう……だと思ったんだけど違うかな?」
「そいつ俺よりバカじゃね、試合前に好きな子動揺させてどうすんだよ」
「自分だけモチベーションあげてるんじゃないかな」
「そいつ、誰?」
「中居秀幸(なかいひでゆき)くん」
「俺知らねーわ、なんで須賀といい中居といい知らねー奴ばっか」
「知ってたら私と和稀が仲いいのしってるでしょ」
「また身体目当てって思うんだろ?」
「まだ聞いてないけどさ、和稀だって何も言ってくれないからわかんないじゃん……だからさっき聞いたの」
「何を言うんだよ」
「それは自分で考えて」
「お前、俺に考え事さすなよ、今コメントで頭一杯なのにさ」
「あーごめん、壮行会に響くね(笑)」
亜希は背伸びをした
「あー疲れた」
「まあ……俺一緒に帰れないけど中居に送ってもらうんじゃねーぞ」
「断れってことだよね?(笑)」
「あたりめーだ、ばーか」
携帯で軽く頭をコツンとされる
学校
「なあ、バレー部の中居って知ってるか?」
「また知らない男が現れたんだ(笑)」
「俺知ってるよ、男バレのエース185センチくらいあって男バレが強いのは中居がいるからって言われてる、今7組かな」
「よく知ってるなー」
「明日の壮行会で4番つけてるのが中居のはず」
壮行会で和稀は亜希を見つける
「亜希」
「和稀、コメント大丈夫?」
「剣道一番だからすぐ終わって楽になる」
「お前ユニフォーム……ムチムチだな」
「言わないでー、恥ずかしいんだからもう嫌だ、みんなに見られるのに」
「剣道ー」
先生が整列させる
「じゃあ」
壮行会は各部が行進して紹介していく、和稀も無事にコメントを終え他の部活を見る
バレー部を見つけた
(あいつか、須賀とは違ってワイルド系だな)