私の名字が村山に変わってから、半年が経とうとしていた。

家の外はどこもイルミネーションで彩られていて、人工的な煌めきを放っている。
隣の一軒家からは、かすかにクリスマスソングが聴こえたりもした。

12月24日。
クリスマスイブ。
そして、彼──村山蒼生の誕生日でもある。

私は夕飯を作りながら、彼の帰りを待っていた。


いつもより帰りが遅いのが少し気がかりだったけれど、まぁ寄り道でもしてるのかな、って。その程度だった。