「それよりも、早くここから逃げてください。生徒総会の配布資料はかなりの量なのでしばらくかかると思いますが、いつ会長が戻って来るかも分かりませんので」
「うん……ありがとう」
心にわだかまりを抱えつつ、私はドアノブに手をかける。
気になって振り返ると、水瀬くんは甘えてすり寄る猫の傍にしゃがみ、「ミスティ、いたんですね」と優しく背を撫でていた。
「あの……!」
思わず声をかけた私に、水瀬くんはきょとんとしてこちらを向く。
「どうして助けてくれたの」
「どうして、とは?」
「だって水瀬くんは副会長でしょ? 生徒会長の言うことには従った方が、あなたのためにも……」
私の言葉は、「これは僕の問題なんです」と言い切った彼によって遮られる。
視線を落とし、彼は寂しげな笑顔で答えた。
「会長を止めるのは、僕の仕事なんです」
「うん……ありがとう」
心にわだかまりを抱えつつ、私はドアノブに手をかける。
気になって振り返ると、水瀬くんは甘えてすり寄る猫の傍にしゃがみ、「ミスティ、いたんですね」と優しく背を撫でていた。
「あの……!」
思わず声をかけた私に、水瀬くんはきょとんとしてこちらを向く。
「どうして助けてくれたの」
「どうして、とは?」
「だって水瀬くんは副会長でしょ? 生徒会長の言うことには従った方が、あなたのためにも……」
私の言葉は、「これは僕の問題なんです」と言い切った彼によって遮られる。
視線を落とし、彼は寂しげな笑顔で答えた。
「会長を止めるのは、僕の仕事なんです」
