「誰かいますか?」
水瀬くんの声だ。鉄砲玉のような速さで私はドアの前に張り付くと、できる限りの大声で彼に向かって呼びかけた。
「水瀬くん! 開けて!」
「有明先輩!? 閉じ込められてるんですか!?」
「そう! 外から鍵かけられちゃったみたいなの!」
「やっぱり」と小さな声が聞こえ、ドアノブが回される。
新鮮な外の空気と共に、水瀬くんの姿が現れた。
「ありがとう。二度と出られないかと思った……!」
ドアが開いた安堵から、すがり付くようにして水瀬くんに話しかける。
彼は真剣な面持ちで「だと思いました」と頷いた。
「さっき、会長とすれ違ったんです。今日は生徒会室に行くなって言われたので、まさかと思って」
「よく私がいるって分かったね」
「だって今日は『約束の木曜日』でしょう」
冷静な声で、水瀬くんは答える。
彼の洞察力を見くびっていたことを、ヨリは悔やむべきだろう。
水瀬くんの声だ。鉄砲玉のような速さで私はドアの前に張り付くと、できる限りの大声で彼に向かって呼びかけた。
「水瀬くん! 開けて!」
「有明先輩!? 閉じ込められてるんですか!?」
「そう! 外から鍵かけられちゃったみたいなの!」
「やっぱり」と小さな声が聞こえ、ドアノブが回される。
新鮮な外の空気と共に、水瀬くんの姿が現れた。
「ありがとう。二度と出られないかと思った……!」
ドアが開いた安堵から、すがり付くようにして水瀬くんに話しかける。
彼は真剣な面持ちで「だと思いました」と頷いた。
「さっき、会長とすれ違ったんです。今日は生徒会室に行くなって言われたので、まさかと思って」
「よく私がいるって分かったね」
「だって今日は『約束の木曜日』でしょう」
冷静な声で、水瀬くんは答える。
彼の洞察力を見くびっていたことを、ヨリは悔やむべきだろう。
