「ところで……」
再び自分の席へ戻った横江さんは、デスクに立てられたファイルの隙間から私を覗き込んだ。
「あなた、ハルトとレオだったらどっちが好み?」
「え?」
まるで犬派か猫派かを問うような、突然の二者択一に面食らう。横江さんは私の返答を待つことなく、嬉しそうに続けた。
「ほら、ハルトはまさにアイドル! って感じのキャラじゃない? レオは確かにグループの中では口数は少ないけれど、あの顔の良さはキャラの中では一番だと思う」
「ちょ、ちょっと、なんの話ですか」
「何って、ハルト派かレオ派かを決める終わらない言論闘争よ」
「???」
頭の上に巨大な疑問符を浮かべる私に「冗談よ。からかってごめんね」と横江さんは笑う。
「あなたくらいの年齢の子が知ってたらこっちもびっくりよ」
そう言って彼女はデスクの上に置いてあったゲームソフトのパッケージを差し出した。
「これ、アムールゲームスが出してたシリーズ物の乙女ゲーム。私が中学生の頃に一作目が発売されて、ヒットしてね」
受け取ったゲームソフトを、まじまじと眺める。
パッケージには『シャルマン・アンジュ4』とゲームのタイトルが記されており、白いドレスを着た女の子が複数の青年に囲まれた、少女漫画のようなイラストが描かれている。
再び自分の席へ戻った横江さんは、デスクに立てられたファイルの隙間から私を覗き込んだ。
「あなた、ハルトとレオだったらどっちが好み?」
「え?」
まるで犬派か猫派かを問うような、突然の二者択一に面食らう。横江さんは私の返答を待つことなく、嬉しそうに続けた。
「ほら、ハルトはまさにアイドル! って感じのキャラじゃない? レオは確かにグループの中では口数は少ないけれど、あの顔の良さはキャラの中では一番だと思う」
「ちょ、ちょっと、なんの話ですか」
「何って、ハルト派かレオ派かを決める終わらない言論闘争よ」
「???」
頭の上に巨大な疑問符を浮かべる私に「冗談よ。からかってごめんね」と横江さんは笑う。
「あなたくらいの年齢の子が知ってたらこっちもびっくりよ」
そう言って彼女はデスクの上に置いてあったゲームソフトのパッケージを差し出した。
「これ、アムールゲームスが出してたシリーズ物の乙女ゲーム。私が中学生の頃に一作目が発売されて、ヒットしてね」
受け取ったゲームソフトを、まじまじと眺める。
パッケージには『シャルマン・アンジュ4』とゲームのタイトルが記されており、白いドレスを着た女の子が複数の青年に囲まれた、少女漫画のようなイラストが描かれている。
