*
「お医者さん、どうだった?」
夕陽に照らされて、アスファルトに二人の影が伸びている。
私が尋ねると、先刻から黙っていた風間くんは「ああ」と首をもたげた。
「病院での容態は安心してるって。日帰りの外出なら許可を出しても良いって話してたから、近々実家にも帰れるかもしれない」
「そっか。良かったね」
「……旭がいないところで聞いてくれたんだね」
「うん。もしあんまり良い話じゃなかったら、旭くんも気にしちゃうかなと思って」
「ありがとな。そう言う気遣い、すごい嬉しいよ」
日に焼けた彼の頬が、わずかに赤みを帯びているような気がする。何度も彼の笑顔は見て来たが、はにかんだ表情を目にするのは初めてだった。
(……外出許可が出たってことは、もしかしたら旭くんの願いも叶えられるのかな)
自分よりも遥かに背の高い風間くんと並んで歩きながら、私は深く考え込んだ。
「お医者さん、どうだった?」
夕陽に照らされて、アスファルトに二人の影が伸びている。
私が尋ねると、先刻から黙っていた風間くんは「ああ」と首をもたげた。
「病院での容態は安心してるって。日帰りの外出なら許可を出しても良いって話してたから、近々実家にも帰れるかもしれない」
「そっか。良かったね」
「……旭がいないところで聞いてくれたんだね」
「うん。もしあんまり良い話じゃなかったら、旭くんも気にしちゃうかなと思って」
「ありがとな。そう言う気遣い、すごい嬉しいよ」
日に焼けた彼の頬が、わずかに赤みを帯びているような気がする。何度も彼の笑顔は見て来たが、はにかんだ表情を目にするのは初めてだった。
(……外出許可が出たってことは、もしかしたら旭くんの願いも叶えられるのかな)
自分よりも遥かに背の高い風間くんと並んで歩きながら、私は深く考え込んだ。
