(そんな風間くんが、部活面倒臭いとか言っちゃうキャラなのかな)

 ぼんやり考えていた私は、背後から聞こえた「滉平!」という声で我に返る。
 振り返ると、先日織也くんを探していた時に声をかけてくれた男子生徒が私達の元へ走って来た。

「校庭でサッカーゴール組み立てるから手伝ってって」
「ああ。今行くよ」

 男子生徒は「あれ」と私を見て首を傾げる。

「君、この前三組の教室に来てたよね。あの後織也には会えた?」
「うん」
「そっか! なら良かった」
「じゃ、またな。有明さん」

 風間くんは朗らかな笑顔で手を振り、男子生徒と共に去って行った。