「きららちゃん、どうしてそんなに織也くんのこと知ってるの!?」
「え? だって織也はクラスは違うけど同じ部活だし」
「だからって知り過ぎじゃない!? そんなに仲良しだったんだね」
「別に。同じ部活って言っても織也は仕事が忙しいから幽霊部員だし」
「ええ……」

 噛み合わない会話に心の中がもやもやする。
 私の顔を見たからか、彼女は「きららもよく分かんないの」と困ったような表情を浮かべた。

「海羽ちゃんに聞かれたら、色々思い出しちゃっただけ。ほら、私、海羽ちゃんの力になりたいって言ったでしょ?」
「そ、そうだね。とにかくありがとう」

 にっこりと微笑まれ、これ以上追及するのもはばかられる。
 仕方なく私はフォークを手にすると、冷めかけたパスタを口に運んだ。