「検討させていただきましたが、やはり協力は難しいと思います」
「理由をお尋ねしても?」
横江さんが尋ねると、彼女は静かに頷いた。
「私はアムールゲームスに中途として入社しましたが、熊谷とは同い年だったんです。彼は文字通り人に愛されるゲームを作る天才で、チームも彼のリーダーシップがないと成り立ちませんでした。ソーシャルゲームの台頭でコンシューマーゲームの市場が押される中、『エトワールの約束』はそれでもアムールゲームスが提供できる最高の作品を届けたいという熊谷の想いから始まったものだったんです。だから私自身、まだ心の整理がついていない部分があって……」
「そうですか……」
自分が働いていた会社が突然倒産し、毎日仕事を共にしていた仲間は自殺未遂を犯す。短い間でこれらの事態に直面した亀山さんのショックは計り知れない。
「……でも、朋花ちゃんなら、こんな時何て言うかな」
「え?」
亀山さんの表情が一瞬で凍りついたのを見て、無意識のうちに独り言を呟いていたことに気付く。
「えっ!?」
私は咄嗟に両手で口を覆った。
「すみません! 私、今すごく変なこと言いましたよね」
どうしてこんな時に朋花ちゃんのことを思い出してしまったのだろう。思考回路の脈絡のなさに、自分のことながらに困惑する。
亀山さんもしばらく驚いたような表情を浮かべていたが――
「有明さん、ゲームをやり込んでくれたのですね」
そう言うと、ふわりと表情を和らげた。
「理由をお尋ねしても?」
横江さんが尋ねると、彼女は静かに頷いた。
「私はアムールゲームスに中途として入社しましたが、熊谷とは同い年だったんです。彼は文字通り人に愛されるゲームを作る天才で、チームも彼のリーダーシップがないと成り立ちませんでした。ソーシャルゲームの台頭でコンシューマーゲームの市場が押される中、『エトワールの約束』はそれでもアムールゲームスが提供できる最高の作品を届けたいという熊谷の想いから始まったものだったんです。だから私自身、まだ心の整理がついていない部分があって……」
「そうですか……」
自分が働いていた会社が突然倒産し、毎日仕事を共にしていた仲間は自殺未遂を犯す。短い間でこれらの事態に直面した亀山さんのショックは計り知れない。
「……でも、朋花ちゃんなら、こんな時何て言うかな」
「え?」
亀山さんの表情が一瞬で凍りついたのを見て、無意識のうちに独り言を呟いていたことに気付く。
「えっ!?」
私は咄嗟に両手で口を覆った。
「すみません! 私、今すごく変なこと言いましたよね」
どうしてこんな時に朋花ちゃんのことを思い出してしまったのだろう。思考回路の脈絡のなさに、自分のことながらに困惑する。
亀山さんもしばらく驚いたような表情を浮かべていたが――
「有明さん、ゲームをやり込んでくれたのですね」
そう言うと、ふわりと表情を和らげた。
