「話は聞いたよ。熊谷さんが開発途中だったゲームを見つけたんだってね」
「はい。プロデューサーから直接話を聞いた訳ではないですが……社長がおっしゃっていたのと同じく、そのゲームに関しても強い想いを持って制作していたことに間違いはないと思います」
「そうか……だが、残念ながら彼は今仕事ができる状態にない。それを踏まえた上で、君はどうしたいと思うかい?」
直属の上司どころか自身が勤める企業のトップに尋ねられ、緊張で全身から汗が噴き出す。思わず隣を向くと、「海羽ちゃんの言葉で話してくれればいいのよ」と、横江さんが優しく微笑んだ。
「私は……私は、完成させたいです。このゲームを完成させて、沢山の人に遊んでもらいたいです。それがプロデューサーやアムールゲームスで働いてた方々、そして……ゲームの中で作られたキャラクターの皆のためになると思うから……」
黙って話を聞いていた社長は、「そうか」とゆっくりと頷いた。
「アムールゲームスの買収は、熊谷君に対する私の罪滅ぼしでもあるんだ。ハイクレックスの社長として、そして彼の友人として、アムールゲームスのためになれることは、何でも力になろう」
「ありがとうございます」
「それで、何か案はある?」
こちらを向いた横江さんが首を傾げる。
「ゲームの開発に関しては私も分からないことばかりですが……」
前置きをした上で、私は二人に切り出した。
「はい。プロデューサーから直接話を聞いた訳ではないですが……社長がおっしゃっていたのと同じく、そのゲームに関しても強い想いを持って制作していたことに間違いはないと思います」
「そうか……だが、残念ながら彼は今仕事ができる状態にない。それを踏まえた上で、君はどうしたいと思うかい?」
直属の上司どころか自身が勤める企業のトップに尋ねられ、緊張で全身から汗が噴き出す。思わず隣を向くと、「海羽ちゃんの言葉で話してくれればいいのよ」と、横江さんが優しく微笑んだ。
「私は……私は、完成させたいです。このゲームを完成させて、沢山の人に遊んでもらいたいです。それがプロデューサーやアムールゲームスで働いてた方々、そして……ゲームの中で作られたキャラクターの皆のためになると思うから……」
黙って話を聞いていた社長は、「そうか」とゆっくりと頷いた。
「アムールゲームスの買収は、熊谷君に対する私の罪滅ぼしでもあるんだ。ハイクレックスの社長として、そして彼の友人として、アムールゲームスのためになれることは、何でも力になろう」
「ありがとうございます」
「それで、何か案はある?」
こちらを向いた横江さんが首を傾げる。
「ゲームの開発に関しては私も分からないことばかりですが……」
前置きをした上で、私は二人に切り出した。
