流星とジュネス

 目をつぶると、あの世界で出会った人々、壱師町の風景、そして寮で食べた夕飯の香りに至るまで、全ての記憶が鮮明に蘇る。
 それが眠っている間に見た夢だと仮定しても、あまりに具体的かつ出来過ぎた話だった。

「でもね、海羽ちゃん」

 落ち込む私を元気づけるように、横江さんの掌がそっと私の手の甲に重ねられる。

「あなたがエトワールの世界で約束して来たことは、旧アムールゲームス部のメンバーとして協力したいと思ってる。私だって完成しなかったこのゲームの内容は気になるし、チャンスがあるならきちんと商品として世に出したい。それがクマPの意志なら、尚更ね」
「横江さん……」

 だからそんな顔しないで、と微笑む彼女に、いつだって自分の味方でいてくれた仲間の面影が重なる。

「とりあえずこのプロトタイプについて、集められる情報を探してみましょう」
「はい!」

 横江さんの提案に、私は新たな決意を胸に頷いた。