「カレンダーだ」
職員室に置いてあった分だけでは足りなかったのだろう。恐らく全てのクラスから回収して来たと思われるおびただしい数のカレンダーが机の上に並べられていた。
新たな年を迎え、支給されたカレンダーは誰もが分かる通り『一月』を示している。何の変哲もないカレンダーに、彼は何を求めていたのだろうか。
一番近くに置いてあったカレンダーを、何気なくめくる。瞬間、全身が硬直した。
二月の日付が、半分までしか書かれていない。下半分が真っ白になったカレンダーを前に、冷や汗が流れる。
慌てて紙の端を掴んでめくりあげるものの――
三月に当たるその先は、何も書かれていない真っ白の紙が挟まれているだけだった。
(どういうこと!?)
私は無心で近くに置かれた卓上カレンダーをめくる。まるで二月から先は訪れないと言わんばかりに、どのカレンダーにも来月までの日付しか印刷されていなかった。
「幼馴染、ここに手紙が」
ヨリの声ではっと我に返る。司書用の机のそばへ立っていた彼は、『主人公へ』と書かれた白い封筒を差し出した。
「これ……結城くんからだ」
震える手で封を破る。中に入っていたのはプリントの裏に書かれた彼からの手紙だった。
よほど急いでいたのだろう。走り書きで書かれた文字は読みやすいとは言い難く、私は焦る気持ちを何とか押さえながら手紙の内容を目で追った。
職員室に置いてあった分だけでは足りなかったのだろう。恐らく全てのクラスから回収して来たと思われるおびただしい数のカレンダーが机の上に並べられていた。
新たな年を迎え、支給されたカレンダーは誰もが分かる通り『一月』を示している。何の変哲もないカレンダーに、彼は何を求めていたのだろうか。
一番近くに置いてあったカレンダーを、何気なくめくる。瞬間、全身が硬直した。
二月の日付が、半分までしか書かれていない。下半分が真っ白になったカレンダーを前に、冷や汗が流れる。
慌てて紙の端を掴んでめくりあげるものの――
三月に当たるその先は、何も書かれていない真っ白の紙が挟まれているだけだった。
(どういうこと!?)
私は無心で近くに置かれた卓上カレンダーをめくる。まるで二月から先は訪れないと言わんばかりに、どのカレンダーにも来月までの日付しか印刷されていなかった。
「幼馴染、ここに手紙が」
ヨリの声ではっと我に返る。司書用の机のそばへ立っていた彼は、『主人公へ』と書かれた白い封筒を差し出した。
「これ……結城くんからだ」
震える手で封を破る。中に入っていたのはプリントの裏に書かれた彼からの手紙だった。
よほど急いでいたのだろう。走り書きで書かれた文字は読みやすいとは言い難く、私は焦る気持ちを何とか押さえながら手紙の内容を目で追った。
