流星とジュネス



 眩い橙色の光を携えて夕陽が沈み、夜の帳が降りた空にはちらちらと星が現れ始める。

『冬の星空が綺麗に見える理由に、空気の乾燥が挙げられます。空中の水分が少ない分、他の季節よりも星のきらめきをはっきりと鑑賞することができるのです』

 暗闇の中に広がる無数の星々を眺めていると、視界の端をちらりと光の線が走った。

(あ、流れ星!)

 思わず隣を盗み見ると、隣で横になる結城くんは真剣な表情で星空を眺めている。

『二月になると、壱師町ではリコリス座流星群を鑑賞することができます。リコリスの花は別名『彼岸花』。皆さんも来年は望遠鏡を持って、流れ星を見に出かけてみてはいかがでしょうか』