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「海羽ちゃん、最近きららに内緒で男遊びしてるでしょ」
「え！？」

　昼休みのカフェテリア。
　いつものように私の向かいの席で弁当を食べていたきららちゃんは、唐突に切り出した。
　
「し、してないよ。放課後だって用が済んだらまっすぐ帰ってるし」
「そう？　でも男の人の匂いがぷんっぷんするんだよね〜、最近の海羽ちゃん」

　ややむくれて頬を膨らませるきららちゃんの言葉に、一人の青年の顔が思い浮かぶ。

「もしかして結城くんのことかな。確かに最近一緒に話す機会が増えたけど、そんな人聞きの悪い……」
「きらら、ちょっと嫌な予感がするの」

　オムライスを食べる手を止め、きららちゃんがはっきりとした口調で告げる。どう言うことかと尋ねたが、彼は困ったように首を振るばかりだった。

「なんか、海羽ちゃんが遠くに行っちゃうような気がして。そのうちきららと話したりするのにも飽きて、一緒に過ごすこともできなくなっちゃうのかなって……」
「そんなことないよ！」

　驚きのあまりつい声が大きくなる。隣の席でランチを食べていた女性生徒が、目を丸くしてこちらを振り向いた。