ガラスが割れるような鋭い音と共に、赤色のバリアが砕け散る。気付けば私は、衝撃で地面にひっくり返っていた。
清々しい秋空が視界に広がる。恐る恐る横を向くと、隣にはかなたが倒れていた。目が合うと、彼は可笑しそうに笑い出す。
「やったよ、ヒロイン」
身体を起こすと、校門に張り巡らされたバリアは既に消滅していた。生徒達は奇妙な生き物に出会った時のような視線を私達に投げかけながら、次々と校門をくぐって行く。
「海羽さん……!? 桐生くんも!?」
ぱたぱたと慌ただしく近付く足音に振り返ると、朋花ちゃんと織也くんが驚いた表情で近付いて来た。織也くんは何故かノートパソコンを片手に抱え、耳にはインカムを装着している。
「かなたのこと、ちゃんと連れて来たよ」
そう言うと、朋花ちゃんの表情が和らぐ。
「ミッションコンプリート、だな。桐生」
織也くんはかなたの前で屈むと右手の掌を向ける。ぱちんと二人が掌を叩き合う音が響いた。
「ミッション?」
「学校まで来る途中、犬に追いかけられたりしただろ? 実は事前に示し合わせてて、登校するお前らが危険な目に遭いそうになったらすぐに駆けつけられるようにしてた」
清々しい秋空が視界に広がる。恐る恐る横を向くと、隣にはかなたが倒れていた。目が合うと、彼は可笑しそうに笑い出す。
「やったよ、ヒロイン」
身体を起こすと、校門に張り巡らされたバリアは既に消滅していた。生徒達は奇妙な生き物に出会った時のような視線を私達に投げかけながら、次々と校門をくぐって行く。
「海羽さん……!? 桐生くんも!?」
ぱたぱたと慌ただしく近付く足音に振り返ると、朋花ちゃんと織也くんが驚いた表情で近付いて来た。織也くんは何故かノートパソコンを片手に抱え、耳にはインカムを装着している。
「かなたのこと、ちゃんと連れて来たよ」
そう言うと、朋花ちゃんの表情が和らぐ。
「ミッションコンプリート、だな。桐生」
織也くんはかなたの前で屈むと右手の掌を向ける。ぱちんと二人が掌を叩き合う音が響いた。
「ミッション?」
「学校まで来る途中、犬に追いかけられたりしただろ? 実は事前に示し合わせてて、登校するお前らが危険な目に遭いそうになったらすぐに駆けつけられるようにしてた」
