「未来ある新入社員に話すことじゃなかったかもね」
「いえ、話してくださってありがとうございました。何も知らない私にもよく分かりましたし……アムールゲームスのこと、それから横江さんがアムールゲームスをどれだけ大切に思っているのかが」

 私の言葉に横江さんは少し驚いたような表情を浮かべた後、「そう言ってくれて嬉しいわ」と表情を和らげた。

「メンバーは現時点で二人しかいないとは言え、この部署はとても重要な役割を担っていると私は思っているの。アムールが築いて来たコンテンツをまた沢山の女の子に遊んでもらえるように、今は私達ができることをやりましょう」
「はい」

 言葉の中に宿る横江さんの強い意志を感じて、私は思わず頷く。
 以上の経緯で、私はハイクレックス株式会社旧アムールゲームス部門に就任したのだった。