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自らを桐生かなたと名乗った青年は、蒼遥高校に在籍する18歳だと言った。
「かなた君だね」
「かなたでいいよ。ネットユーザーは皆俺のことそう呼ぶし」
「じゃあ……かなた」
18歳と言えば自分が在籍している三年に当たるはずだが、彼の姿を一度も見たことはない。
「学校では会ったことなかったよね」
そう言うと、大盛りのパフェにぱくつきながら「そりゃね」と彼は三白眼の瞳をわずかに上げて見せる。
「蒼遥生って言っても、俺、不登校なんだよね。一回も高校通ったことない」
「えっ!? そうなの?」
驚く私に反し、彼は淡々と答えた。
「嫌いっつーか、面倒臭いじゃん。勉強なんてネットがあればできるし、友人関係とかもいちいち築くのダルいし」
職員室でこんなことを言ったら即刻廊下に立たされそうだ。ノートパソコンにヘッドホン、腕にはスマートウォッチ。ハイテクな外見からしていかにも彼が言いそうな理由だったが、その言い分は一つの疑問を浮かび上がらせる。
自らを桐生かなたと名乗った青年は、蒼遥高校に在籍する18歳だと言った。
「かなた君だね」
「かなたでいいよ。ネットユーザーは皆俺のことそう呼ぶし」
「じゃあ……かなた」
18歳と言えば自分が在籍している三年に当たるはずだが、彼の姿を一度も見たことはない。
「学校では会ったことなかったよね」
そう言うと、大盛りのパフェにぱくつきながら「そりゃね」と彼は三白眼の瞳をわずかに上げて見せる。
「蒼遥生って言っても、俺、不登校なんだよね。一回も高校通ったことない」
「えっ!? そうなの?」
驚く私に反し、彼は淡々と答えた。
「嫌いっつーか、面倒臭いじゃん。勉強なんてネットがあればできるし、友人関係とかもいちいち築くのダルいし」
職員室でこんなことを言ったら即刻廊下に立たされそうだ。ノートパソコンにヘッドホン、腕にはスマートウォッチ。ハイテクな外見からしていかにも彼が言いそうな理由だったが、その言い分は一つの疑問を浮かび上がらせる。