「次、店に来た時に渡して。俺もあんたと話してみたかったから!」

「え?」

 間抜けな声を上げ、間抜けな顔で佇む私の肩を、翔子に肘でつつかれた。

 なんのツッコミ? やめてよ。
 だって、ないない。

 見るだけ。妄想するだけ。
 絶対に好きになったりしない。

 間違っても、オムライスを作る男を好きになっちゃいけない。