ランチについていたデザートも食べ、大満足でお店を出る。

 すると裏口らしき扉が開き、まさかのキッチンで仕事をしていた彼と鉢合わせた。
 目が合って、ドキリと胸が飛び跳ねる。

 視線を逸らそうにも、その彼が合わせた目を離さないものだから、何故だか逸らせない。

 近付いてきた彼に、手を差し出された。

「ん」

「え?」

 戸惑っても、押し出すようにもう一度手は私の前へ差し出された。

 彼の勢いに押され、私も急いで彼の差し出した手の下に、自分の両手を差し出した。
 そこに何かが零れ落ちる。