私の戸惑う姿が面白いのか、その時の誠さんの姿を思い出しているのか。
 クククッと小さく声を上げてから、急に真剣な顔をして静かに告げた。

 彼はどこを見るともなく遠くを見つめ、その姿はどこか哀愁さえ漂っていた。

「誠が怒るのも無理ないよ。誠も昔は学さんへの態度、君と同じだったから」

 今度は目を丸くする羽目になった。
 あんなに父を庇っていた誠さんが、昔は私と同じだなんて……。

「だったらどうして……」